東京駅でランチ難民になりそうな時、頼りになるのが「東京ラーメンストリート」。
今回はランキング1位の人気店「斑鳩」で濃厚東京駅らー麺を実食。昭和の象徴ナルトが語るラーメン文化、そしてスープの復讐まで…東京駅で味わう一杯の魅力を徹底レポート。
“If life were predictable, it would cease to be life and be without flavor.”
(もし人生が予測可能なものならば、人生はもはや人生ではなく、味気ないものになる)
【入店きっかけ】東京駅ランチ難民を救う!ラーメンストリートで斑鳩を選んだ理由
東京駅で用事を済ませた後、ランチタイムに突入。東京駅周辺は油断すると高価格帯の店ばかりで、庶民派にはハードルが高い。
考えすぎるとランチ難民になり、時間をロスするのも避けたい。
そんな時に頼りになるのが
「東京ラーメンストリート」。
ただ、名店揃いで逆に迷ってしまうのが難点。
そこで検索「ラーメンストリートランキング1位」。
出てきたのが『東京駅 斑鳩』。
口コミ評価も高く、東京駅直結でアクセス抜群。
迷わずこの店に決めた。

【店内の雰囲気】黒を基調としたシックな空間で味わう一杯
店内に入ると、黒を基調としたシックな空間が広がる。
照明は明るすぎず暗すぎず、落ち着いた雰囲気で、東京駅の喧騒を忘れさせてくれる。
中央には長方形のテーブルがあり、真ん中に仕切りが設けられたカウンター席はおひとり様にぴったり。
壁側にはテーブル席もあり、グループやカップルでも利用しやすい。
平日のランチタイムということもあり、店内にはインバウンドの観光客だけでなく、スーツ姿のサラリーマンもちらほら。
東京駅直結という立地ながら、肩肘張らずに過ごせる空間だ。

【 注文】観光客にハードル?旧式券売機で注文する方法
斑鳩の入口には昔ながらのボタン式券売機が設置されている。
東京駅ラーメンストリートという観光客が多いエリアでは珍しく、英語表記がないため外国人には少し難しいかもしれない。
昼時を外した時間帯でも券売機前には数人の列。しかし、店内は意外にも空席が目立つ。
要は券売機で時間がかかっているだけなのだろう。私は日本人なので迷うことなく「濃厚東京駅らー麺」を選択。
食券を手に店内へ進むと、スタッフが笑顔で迎えてくれる。東京駅で手軽に本格ラーメンを味わえる、この瞬間に期待が高まった。
【創業背景・歴史】九段下から始まった斑鳩の挑戦
斑鳩の歴史は少しユニークだ。
もともとは1918年、初代坂井甚蔵が東京でアパレル製造販売業を創業。その後、パリコレクションやテレビCMの衣装製作などを手掛ける企業として成長したが、2000年に業態を大きく転換し、ラーメン専門店「九段斑鳩」をオープンしたという。
創業者の坂井氏は独学でラーメンを研究し、動物系と魚介系を合わせたWスープを完成させ、瞬く間に東京ラーメン界で話題に。
2011年には東京駅ラーメンストリートに進出し、現在は東京駅店が唯一の店舗として営業を続けている。
アパレルからラーメンへという異色の歴史は、斑鳩のこだわりと挑戦の証だ。」
【実食レポート】ナルトが語る昭和ラーメン文化と今
ほどなくしてラーメンが到着。
スープの表面に浮かぶチャーシュー、メンマ、そして…ナルト。
久々に見たその姿に、思わず目が留まる。
子どもの頃、ラーメンといえばナルトが乗っているのが当たり前だった。だが最近は、ナルトを見かけることがめっきり減った。
しかも、今日のナルトは妙に小さい。直径も厚みも控えめで、まるで「申し訳程度」に添えられているようだ。
そもそもナルトは「なると巻き」とも呼ばれ、渦巻き模様が特徴の練り物。
名前の由来は鳴門海峡の渦潮にちなんでいる。
昭和中期以降、屋台文化の中でラーメンの具材として定着したが、ラーメンが「グルメ」化するにつれ、姿を消しつつある。
それでも斑鳩が添えてくれるのは、どこか嬉しい。
肝心の味はというと、動物系と魚介系のWスープが濃厚ながらも後味すっきりで、レンゲが止まらない。
中太麺は程よいコシでスープとの絡みも絶妙。
チャーシューは口の中でとろけ、メンマの食感がアクセントに。
気づけばほぼ完飲。
懐かしさと現代の旨味が同居する一杯だった。

【入店エピソード】斑鳩で味わった一杯と、その後に訪れたスープの復讐
斑鳩で「濃厚らー麺」を堪能した後、店を出て、改めて仕事再開。
そんな中、突然、喉がやたらと渇き始めた。水を飲んでも飲んでも、乾きが癒えない。
これはまさに、スープの復讐。
あまりに味わい深く、つい飲みすぎてしまった自分への報いだ。
商談で用意された水を飲んでも、渇きは癒されない。おかわりを頼むこともできない。
カバンにはペットボトルがあるが、取り出して飲めるのは一度きり。
それ以上は相手に違和感を抱かせ、商談どころではなくなってしまう。
渇きは最後まで満たされなかったが、どうにか乗り切った。
「美味しいものには、必ず代償がついてくる。」
だが、その渇きさえも、斑鳩の一杯が記憶に刻まれた大きな学びだろう。
【訪問後記】斑鳩からの人生哲学
“If life were predictable, it would cease to be life and be without flavor.”
(もし人生が予測可能なものならば、人生はもはや人生ではなく、味気ないものになる)
この言葉は第32代大統領フランクリン・ルーズベルトの妻であり、国際連合の「世界人権宣言」起草を推進した人物エレノア・ルーズベルトのもの。
不確実性は恐れるべきものではなく、人生を豊かにするスパイスだ。
美味しさのあまりスープを飲み干したことで訪れた喉の渇き。
よく考えれば「濃厚」というネーミングで予測できたはずだが、気分が高揚してそこまで考えられなかった。そんな時、この言葉を思い出し、安堵する。
予定調和ではなく、こうした小さなハプニングこそが人生の深みを生む。
斑鳩の一杯がもたらした予想外の出来事に、次回よりランチはもうスープ飲んじゃダメと、自分に言い聞かせた。
東京駅安くておいしい店
【アクセスと店舗情報】
- 店名:東京駅 斑鳩
- 住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅一番街 B1F 東京ラーメンストリート内
- 最寄り駅:JR東京駅 八重洲中央改札から徒歩約1分
- 営業時間:10:00~23:00(L.O.22:30)
- 定休日:無休
- 電話番号:03-3286-3586
- 周辺スポット:東京駅一番街、グランスタ、KITTE丸の内、皇居散策エリア



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