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荻窪 ラーメン|十八番 深夜にしか出会えないオンリーワンの一杯に学ぶ人生哲学


荻窪駅北口商店街に佇む昭和レトロな老舗「十八番」は、1981年創業以来、夜だけ営業するスタイルで40年以上愛され続けています。特徴は、ニンニクと炒めた豚肉が効いたパンチのある醤油スープ。荻窪ラーメンの王道とは一線を画すオンリーワンの味わいです。今回は、忘年会後に訪れた実食レポート、創業背景、店内の雰囲気、アクセス情報まで詳しく紹介します。深夜にしか味わえない十八番の魅力を、ぜひチェックしてください。


入店のきっかけと理由|荻窪で夜にしか味わえない十八番

荻窪北口のラーメン屋にはランチで訪れることはあっても、夜に足を運ぶ機会は少ない。

そんな中、荻窪北口商店街を歩いていて目に留まったのが、18時から営業を開始する「十八番」

店構えからも、長年荻窪ラーメン文化を支えてきた老舗であることは間違いない。

この日は取引先との忘年会を終え、時刻は23時。終電まで少し時間がある。

このタイミングを逃せば、十八番のシャッターが開いている姿を見ることはできない。

仲間と別れ、帰るふりをして向かったのは、夜にしか行けない十八番。

平日にもかかわらず、23時で待ち客は2名。しかし運よく、すぐに入店できた。

荻窪十八番の店頭風景
荻窪だったら 手もみラーメン 十八番

昭和レトロな店構えとカウンター席の臨場感|荻窪ラーメン十八番

黄色いテントに、横にスライドする透明のドア。昭和の商店街を思わせる外観に、入店前からノスタルジックなわくわく感が高まる。

店内はカウンターのみ10席、厨房には男性スタッフが2名。

荻窪の他店と比べても、どこか勢いが違う。

忙しい時間帯だったせいか、カウンターにはビール瓶がずらりと並び、深夜のラーメン屋ならではの熱気が漂う。

少し酔いも手伝って、ラーメン屋なのにロックな雰囲気を感じ、一人で胸が高鳴った。


十八番での注文スタイルと選んだ一杯|特製ラーメン

十八番の注文は、カウンター越しに声をかける昔ながらのスタイル。

券売機が主流の今では珍しく、声を張って注文するのも悪くない。咳ばらいをして一息、「特製ラーメンお願いします!」と初訪問ながら、メニューの最上段にある特製ラーメンを選んだ。

周囲を見渡すと、ほとんどの客がラーメンとビールの組み合わせ。

瓶ビールにも心惹かれたが、ラーメンでビールという習慣がなく、一人で飲み干す自信もなかったので今回は断念。

「僕はまだまだロックじゃないな」と心の中でつぶやきながら、ラーメンに集中することにした。

荻窪十八番のメニュー表
十八番のメニュー表

荻窪「十八番(じゅうはちばん)」の歴史は、1981年創業にさかのぼるという。

荻窪ラーメン十八番の歴史とこだわり

荻窪駅北口の線路沿いに店を構え、以来40年以上にわたり、地元の人々やラーメン好きに愛され続けてきた老舗とされる。


荻窪十八番は1966年(昭和41年)創業の老舗で、賄い料理から生まれた「特製十八番」が看板となったという事。現在は二代目が継承し、埼玉にも暖簾分け店が存在するらしい。


創業の背景

1966年(昭和41年)、荻窪駅北口の線路沿いに「手もみラーメン十八番」が開業したという事。当初は中華料理店として営業していたが、スタッフの賄い料理から偶然生まれた一杯が客の要望で提供されるようになり、それが「特製十八番」として定着したらしい。


看板メニュー「特製十八番」の誕生

「特製十八番」は創業当初の正式メニューではなく、ニンニクを効かせた豚バラ肉と野菜炒めをラーメンにのせた賄い料理だったという事。

常連客が「食べたい」と頼んだことから提供が始まり、瞬く間に評判となり看板メニューへ昇格したらしい。

豚骨ベースの醤油スープに手もみで仕上げた中太ちぢれ麺が絡み、スタミナ満点の一杯として荻窪のソウルフードになったという事。


継承と地域とのつながり

現在は二代目店主・馬塩泰治が伝統を守り続けているらしい。親子三代で通う常連客も増え、荻窪の街に根付いた存在だという事。店主は「評判よりも人と人とのつながりを大切にしたい」と語っており、地域文化との結びつきが強いらしい。



十八番の特製ラーメンを実食|ニンニクが効いた深夜のご褒美

さて、到着した特製ラーメン。

荻窪といえば醤油ベースの中華そばが象徴的だが、十八番もその基本を大切にしているようだ。

丼の表面には海苔、焼きネギ、ニラ、豚肉、そして黒ゴマが散りばめられ、見た瞬間に「締めのラーメン」という言葉が頭をよぎる。

それでも、深夜にこのビジュアルはテンションが上がる。


まずはスープをひと口。口の中に広がるニンニクの香りが強烈で、思わず

「これだ」と心の中でつぶやく。

周りの客がビールと一緒に楽しんでいる理由がよくわかる。

僕はすでに飲んでここに来ているけれど、この味なら酒との相性は抜群だろう。
手もみ麺はスープとの絡みが最高で、噛むたびに旨味が広がる。

気分が上がりすぎて一気に食べたくなる衝動を抑え、ゆっくり味わう。

ニンニクのパンチが五臓六腑に染み渡り、体中に力がみなぎる感覚。

十八番が18時から営業する理由も納得だ。これはランチには向かない、夜にこそ食べるべき一杯だ。


入店時のエピソード|期待を裏切るオンリーワンの味

ここで、お便りを紹介します。
「我慢してたらいいことがあるって」さんからです。


荻窪十八番口コミ記事
大好きな人がいて。いっしょにいると毎秒うれしくて、隣にいるだけでなんだかたのしくて、すごくきれいで。すべての仕草が美しいひとなんです。
だけど、その人にはその人の人生があって。僕なんかといっしょに生きたいなんて思ってくれるわけもないし、でもそれでも今の今いっしょにいたいから、どんな手段を使ってでも少しでもいっしょにいたいと思う人なんです。
その人がいつも、この店の前を通るたび、「ここ今日も混んでるね」って僕にいうんです。おそらく彼女は何気なく言ってると思うんですが、僕には彼女が僕に発する言葉全部が嬉しくてドキドキして、それでいつもここ通るたびに、きっと今日もいう、と思って、そしてやっぱり実際言ってくれるとすごく嬉しくて、それでなんだかこの店のことがずっと気になってました。
そして、ついに訪店。鮮やかに期待を裏切られました。「昭和4⚫︎年創業、手揉みラーメン」という文字から、私は勝手に昔ながらのラーメンを想像していましたが(それもそれで大好きなんです)こちらのお店はそんなどこかで食べたようなラーメンではなくきちんとオンリーワンを追求されてました。まさに僕の大好きな人といっしょで、代替の効かない、代わりなんかいない、かけがえのない存在なんです。だから店にもいつも行列ができてること納得しました。美味しかったです。

この食べログに書かれたお便り(口コミ)、すごくピュアで胸に響く。

僕自身も、忘年会を終えて終電までのわずかな時間、十八番の暖簾をくぐったとき、同じような気持ちになったわけじゃないけど、昭和レトロな店構えに心が躍り、カウンターに座った瞬間、長年の期待が現実になる高揚感。

そして、「昔ながらのラーメンだろう」と勝手に思っていた先入観を、十八番は鮮やかに壊してくれた。

オンリーワンの味わいは、代わりのない存在感。だからこそ、この店にはいつも行列ができるのだと、心から納得。


引用:口コミ一覧 : 手もみラーメン 十八番 (てもみらーめん じゅうはちばん) – 荻窪/ラーメン [食べログ]


訪問後記|十八番から学ぶ「一能一芸」の哲学

「人間は何事にせよ、自己に適した一能一芸に深く達してさえいれば良いのです。」

――与謝野晶子『人間礼拝』より。

この言葉は、与謝野晶子の著書『人間礼拝』に記された一節。

流行や他人の期待に流されず、自分に適した分野を深く極めることこそが人生の価値につながるという思想を示している。

荻窪ラーメンの街で、十八番が選んだ道もまさに店名に表れたお箱というわけだ。

横並びの中華そばではなく、ニンニクと炒めた豚肉を効かせたパンチのある醤油スープで「オンリーワン」を追求し、40年以上愛される店となった。


ふと、自分はどうだろう?同調圧力に流されていないか。

十八番のように「自己に適した道」を選び、深く極める覚悟があるだろうか

――そんな思索を巡らせていたら、「すみません、外にもお客様がいるので…」

と声をかけられ、店を後にした。

結局、自分事まで落とし込むには時間が足りなかったが、この一杯が問いを残してくれた。


アクセスと店舗情報

  • 店名:手もみラーメン 十八番(じゅうはちばん)
  • 住所:東京都杉並区上荻1-4-10
  • 最寄り駅:JR中央線・総武線 荻窪駅 北口 徒歩約3分
  • 営業時間
    月~土 18:00~24:30
    日・祝 18:00~23:30
  • 定休日:無休(臨時休業あり)
  • 座席数:カウンター10席
  • 周辺環境:荻窪北口商店街、大田黒公園、杉並公会堂
  • 予算目安:~999円(ラーメン)、1,000~1,999円(夜利用)

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