自分に価値があると思える時にだけ、勇気を持つことができる
— 心理学者 アルフレッド・アドラー
アルフレッド・アドラー 「一瞬で自分が変わる100の言葉」 小倉 広 著 ダイヤモンド社
生冷麦 石臼挽き十割蕎麦「さ竹」
恵比寿駅すぐの十割蕎麦「さ竹」を訪れました。
恵比寿で簡単にランチしたいけど、初めての場所は入りにくいという方のためにの訪問レポートです。
噛み応えのある十割そばに、やや濃いめのつゆ、満足感を補う鯖飯。立ち食い価格ながら、主体的に選ぶ余白が残る一軒です。運営会社StyLeの理念やアドラー心理学と重ねながら、実食レポをお届けします。

入店きっかけ
突然現れた石臼挽き十割蕎麦の文字
恵比寿で商談を済ませ、次の場所まで少し時間が空いたので、このあたりでランチを取ることにした。
特に調べものはしておらず、情報もないままフラフラと駅周辺を歩く。
最初に頭に浮かんだのは、暖暮でラーメンという選択肢。
ただ、少し体重も気になる。そこでラーメンはやめて、気づけばランチ難民状態になっていた。
駅に向かう途中、見慣れた富士そばの看板が目に入る。
ここで時間を取るつもりもなかったので、「富士そばも悪くない」と、そのまま向かおうとした、そのとき。
突如現れたのが「さ竹」だった。
立ち食いそばのような見せ方をしながら、看板には石臼挽き十割蕎麦の文字。
そして、その横には、「杏葉紋」が掲げられている。馬具を起源とする古い紋で、浄土宗の宗紋としても知られる。
さ竹の落ち着いた佇まいとよく調和し、店に静かな格式を添えている。
さらに店頭には石臼が置かれていて、少しだけ足が止まる。
その店構えに惹かれて、気づけばそのまま入店することにした。
石臼挽き十割蕎麦「さ竹」注文・店内風景
券売機の前で立ち止まる、はじめてのさ竹
店内に入ると、左手には自動の石臼挽きが置かれている。
右手には券売機が一機。初めての店ということもあり、前のお客さんがまあまあ時間をかけてメニューを選んでいた。
そのおかげで、私も背後からゆっくりとメニューを見ることができたので、それはそれで助かった。
しかも、店頭ではあまり気づかなかったセットメニューが、券売機ではしっかりと一覧で確認できる。
せっかくなら十割そばを堪能したい。
やはり基本は、もりそばじゃないか。そこに加えて、体調管理に評判が良さそうな「鯖飯」なるものが目に入る。
健康的にお腹を満たしたいという気持ちもあり、ここはもりそば鯖飯セットを選ぶことにした。
券売機で即断できるように事前にメニューを


十割蕎麦「さ竹」の店内風景
店内は縦長で、両側にカウンター席が並び、奥に進むと厨房がある。
食券を渡すと、「呼びますので」とひと言。
レシートには番号が書かれている。ただ、番号掲示のようなものは見当たらず、出来上がったら声掛けのスタイルらしい。
なんとなく厨房の目の前に立って待っていると、「呼びますから席でお待ちください」と声をかけられた。受け渡し口を空けていたいのであろう。正しい声掛け。
ちょっと食い気味で待っていた感じがして、恥ずかしながら、そそくさとカウンター席につき待つことにする。
創業背景・会社概要
さ竹の誕生
十割蕎麦「さ竹(さたけ)」は、2015年8月24日に東京都渋谷区恵比寿で開業した蕎麦店である。
JR恵比寿駅から徒歩1分圏内に位置し、店内製粉・店内製麺による十割蕎麦を提供している点が特徴。
「さ竹」は、株式会社StyLe(スタイル)が運営する飲食ブランドの一つである。
株式会社StyLeは、2014年4月2日設立の飲食企業で、東京都を拠点に蕎麦・うどん・居酒屋・洋食・和食など複数業態の飲食店を展開していることが、公式会社情報および企業資料から確認できる。
StyLeの公式会社情報では、事業内容を以下のように定義している。
- 飲食店の運営
- 飲食関連ブランドの展開
- 飲食店運営に付随する業務全般
また、StyLeは単一ブランドに依存しない多業態展開を行っており、公式資料では「香川 一福(うどん)」「中野レンガ坂 洋食堂 葡萄」など、複数の飲食ブランドを展開していることが明示されている。
十割蕎麦「さ竹」は、こうしたStyLeグループの飲食事業の中で、蕎麦業態を担うブランドとして位置づけられている。
創業者であり代表取締役は、石川 瑛祐氏
石川瑛祐氏は、栃木県出身の飲食起業家。大学中退やアルバイト生活を経て20代後半に飲食業での独立を決意し、2014年に同社を創業。人を起点に店づくりを行い、業態に縛られない多角展開で全国に店舗を広げている。「飲食を楽しむ人を増やす」をミッションに、働く人が輝ける環境づくりを大切にしている。
実食レポート

さ竹 もりそばの印象 ― 十割蕎麦を「噛んで」味わう
まずは、もりそばから。
そばはやや硬めで、十割そばならではの噛み応えがしっかりある。
歯を入れると簡単には切れず、「そばを食べている」という実感が強い。
喉越しで食べさせるタイプではなく、噛んで味わうそば。
その存在感がはっきりしていて、好印象だった。
この硬めでコシのある食感は、まさに「噛み応えのある田舎寄りの十割蕎麦」といった感じだ。
つゆとそば湯 ― 濃さは計算通り、そば湯は惜しい
つゆはやや濃いめ。
ただし、そば自体がしっかりしているため、このくらいの濃さがちょうどよく感じられる。
そばとのバランスも良く、最後まで違和感はなかった。
食後はそば湯を入れて飲んだが、そば湯を楽しみにしている身としては、正直ちょっと足りない。
飲み干したタイミングで、隣に座っていた客が立ち上がり、カウンターで「そば湯をください」とお代わりを頼んでいた。
その姿を見て、「自分も頼めばよかった」と、ここでも勇気を出せなかった自分の失敗を少し恥じる。
ただ、頼めばきちんともらえることを確認できたのは大きな収穫だ。
こうやって、知っていくことが少しずつ増えていくのだと思う。
鯖飯の印象 ― そば+αとしての満足感を底上げ
セットの鯖飯は、ほぐした鯖と刻み葱が入り、そこに何かしらの調味が加えられている。
細かい説明はできないが、素直に「おいしい」と思える味付けだ。
特に印象的だったのは、満腹感の底上げ効果。サバは栄養的にも非常に良いと言われるし。
そば単体だと「少し軽いかな」と感じるところを、鯖の脂とご飯がしっかり補ってくれる。
訪問後記
自分に価値があると思える時にだけ、勇気を持つことができる
— 心理学者 アルフレッド・アドラー
アルフレッド・アドラー 「一瞬で自分が変わる100の言葉」 小倉 広 著 ダイヤモンド社
アドラーは言う。
人は「自分に価値がある」と思えたときにだけ、勇気を持てるのだと。
StyLeの理念も、突き詰めると同じ場所に立っている。
評価や指示で人を動かすのではなく、
挑戦の場と裁量を渡すことで「自分は価値ある側だ」と実感させることを重視する。
「さ竹」という店も、その延長線上にあるように感じた。
この店は、親切ではあるが、過剰ではない。
だって、そば湯は自動的には満たされないし、
満腹になるかどうかは鯖飯を選ぶかどうかに委ねられている。
——つまり、一歩踏み出した人だけが、次の満足に届く設計だ。
それは、客を試しているわけではない。
客を「判断できる存在」として扱っている、ということだ。
「欲しいなら言えばいい」
「選びたいなら選べばいい」
この距離感は、StyLeが掲げる
「やらされるのではなく、主体的に関わる」
という価値観と、きれいに重なって見えた。
ここでは、勇気を出しても失敗しない。
だからこそ、自分に価値がある側として振る舞える。
アドラーの言葉が、
この店では理論ではなく、体験として静かに置かれている。
店舗情報
店名:十割蕎麦 さ竹(さたけ)恵比寿店
住所:東京都渋谷区恵比寿1-8-14 大黒ビル1F
アクセス:JR山手線・東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」より徒歩約1分
営業時間:
月〜木:10:30〜23:00(L.O.22:50)
金・土・祝前日:10:30〜翌5:00(L.O.翌5:00)
日・祝日:10:30〜22:00(L.O.22:00)
定休日:なし(年中無休)
席数・形態:カウンター席のみ/全席禁煙
支払い方法:現金のみ(券売機制)
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