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荻窪 ラーメン|丸福荻窪本店 移転直前!ワンタン麺に込めた70年の歴史。築き上げられた哲学


丸福 店舗移転のお知らせ
出典先:丸福HPより

荻窪ラーメンの老舗「丸福荻窪本店」を訪問。創業70年以上、醤油スープと中細麺の王道を守り続ける名店です。今回は名物ワンタン麺を実食し、昭和レトロな店内や家族経営の温かさをレポート。さらに、荻窪北口商店街再開発に伴う2025年12月29日一時閉店と移転情報も詳しく紹介します。荻窪でラーメンを食べ歩くなら必読の一記事です。



閉店のうわさから移転決定へ|丸福荻窪本店に最後の訪問

まことしやかにささやかれていた閉店のうわさは、実は事実だった。

ただし完全閉店ではなく、移転オープンの準備に入るための一時閉店だということが分かった。

年内の営業は12月29日までと告知され、荻窪ラーメンを代表する名店「丸福荻窪本店」は、長年親しまれたこの地での歴史に一旦幕を下ろすことになる。

私は丸福の常連というわけではないが、常連ぶって、このタイミングで最後の挨拶をしたいと思い、足を運んだ。

移転後も続く味への期待と、今の場所での名残を胸に、暖簾をくぐった瞬間に少し特別な気持ちになった。

丸福 店頭写真
店頭

丸福荻窪本店の店内|昭和レトロな空間と家族経営の温かさ

暖簾をくぐると、厨房から店主、奥様、娘さんの感じのよい挨拶が迎えてくれる。

丸福の魅力は、家族経営ならではの温かさだ。

話は少しそれるが、日本で夫婦喧嘩が多い県は青森県らしい。

ジブラルタ生命「家族愛に関する調査2023」によると、青森県は夫婦喧嘩の回数が全国1位で、平均年間回数は約13.6回と報告されている【出典:ジブラルタ生命 家族愛調査2023】

理由は、雪や農閑期で外に出られず、夫婦で過ごす時間が長いからだという。

そう考えると、丸福も一日中家族で過ごしているはずだが、ここにはそんな空気は一切ない。

むしろ、幸せの象徴のような雰囲気が漂っている。

厨房の様子とメニューを示す看板があるラーメン店の内部の写真。食器や器具が整然と並べられたカウンター越しの視界が映っている。

さて、店内はL字型カウンターで約10席。

左右の間隔は程よく、窮屈さを感じない。

オープンキッチンでは、それぞれの役割分担が見事で、職人気質の無駄のない動きと、時折見せる柔らかな笑顔のギャップが心地よい。

清潔感と分かりやすさが、初めての客にも安心感を与えている。


丸福で注文したのはワンタン麺|荻窪ラーメンの王道にひと工夫

今回注文したのは、最後の訪問にふさわしい一杯「ワンタン麺」。

中華そばでは少し味気ないし、記念に色を付けたかったからだ。

荻窪ラーメンの本質は、澄んだ醤油スープと中細麺にある。

その醤油スープにワンタンが加わることで、旨みがさらに広がる。

奇しくも荻窪ラーメンの名店には、ワンタン麺を扱う店が多い。

理由は単純で、スープとの相性が抜群だからだろう。

うんちくはさておき、注文を終え、湯気の向こうで仕上がっていく一杯を待つ時間もまた、老舗ならではの楽しみだ。


丸福荻窪本店の創業背景と再開発による移転

丸福荻窪本店の創業は1951年(昭和26年)とされ、戦後の荻窪ラーメン文化を支えてきた老舗だという。荻窪ラーメンは東京ラーメンの流れを汲み、澄んだ醤油スープと中細麺が特徴で、丸福もその王道を守り続けてきた。

昭和期には「春木屋」「丸長」と並び、荻窪ラーメン御三家と呼ばれる存在だったとの記録もある。現在は二代目が中心となり、家族経営の伝統が続いている。

さらに、荻窪北口商店街の再開発に伴い、2025年12月29日をもって現店舗での営業を終了し、一時閉店することが公式に発表されている

移転後に再オープン予定で、詳細な場所や時期は後日告知される見込みだ。


丸福のワンタン麺を実食|熱々スープと肉汁あふれるワンタン

スープを作る過程や麺をゆでる様子を目の前で眺めながら、待ちに待ったワンタン麺が到着。

見た目はシンプルながら、老舗の風格を漂わせる一杯だ。

丸福荻窪本店のワンタン麺。スープは澄んだ醤油色で、中には肉団子状のワンタンとシャキシャキのもやしが入っている。背景には厨房が見える。
老舗の丸福荻窪本店の名物ワンタン麺。深い醤油スープが旨味を引き立てる一杯。

スープをひと口すすると、醤油の香りがふわりと立ち、動物系の旨味と香味野菜の甘みがじんわり広がる。これが丸福だ。一見、どこにでもあるようなしょうゆベースのスープだが、口に含むと唯一無二の深みがある。

ラードの効果なのか、最後まで熱々を保つのも魅力だ。麺は中細のストレートで、やや柔らかめながらスルスルと啜れる軽快さが心地よい。

主役のワンタンは肉団子状で、皮は薄めながら餡がぎっしり詰まっていて、噛むと肉汁がジュッと広がる。特に最初の一口は要注意。アツアツの肉汁が口内を暴力的に襲い、思わず一度、ワンタンを口外に避難させたほどだ。

もやしのシャキシャキ感がアクセントになり、昭和のラーメン屋らしい雑然とした盛り付けも味わいの一部。

スープは飲み進めるほどに旨味が深まり、レンゲが止まらない。奇をてらわない王道の味に、70年続く理由を感じた。

そして、一区切りつくこのタイミングで

「本当にありがとうございました。そして、また、よろしくお願いいたします。」

と、心で伝えて、箸をおき、もう少しいたい気分もしたが、単なる迷惑であるので、寒い中で待っている方に席を譲った。


入店時のエピソード|女将と常連が交わす“最後の会話”

移転オープンが決まっているとはいえ、常連客にとっては名残惜しい時間だろう。

一時閉店の報を聞きつけて訪れる人は後を絶たない。

カウンター越しに聞こえてくる会話が、その歴史と絆を物語る。

「最後に来たよ」

「年内はまだいらっしゃる?」

「最後までありがとうございます」

「長くお待たせしてすみませんでした」

――人たらしの女将と常連のやり取りは、長年一人ひとりを大切にしてきた証だ。

「たまごそば大盛で」

「あれ?今日は大盛かい?珍しいね」

「最後だからね」

そんな何気ない会話に、丸福が愛され続けてきた理由が凝縮されている。


訪問後記

(売上好調の)その秘訣は?と問われれば、「お客さまとお取引先を大切にする」「嘘をつかない」「感謝の心を忘れない」といった、商いというよりも、人間としての基本を毎日毎日飽きずに繰り返してきただけと申し上げる以外にないのです。

引用:「商いの道」伊藤雅俊 PHP文庫

――これはイトーヨーカドー創業者・伊藤雅俊氏の言葉であり、商いの本質を突いた一節だ。

丸福の姿勢はまさにこれと重なる。

オープンキッチンでラーメンが仕上がる過程をすべて見せる誠実さ、そして店を出る瞬間の丁寧な挨拶。

奥様は洗い物の手を止め、必ず振り返って笑顔で「ありがとうございました」と声をかける。

言霊という言葉があるように、心を込めた挨拶は人の心を動かす。

そんな心地よさが丸福にはある。

さて、私はというと、常連ぶった挨拶をしてしまい、少し嘘をついた気分だ。

人として、丸福から学ぶべきことは多い。

伊藤氏もこう語っている――「信用の担保は、お金や物ではなく、人間としての誠実さ、真面目さ、そして何よりも真摯であること」。この言葉を胸に、丸福で過ごした時間を振り返る。


アクセスと店舗情報 ※2025年12月29日まで

  • 店名:中華そば 丸福 荻窪本店
  • 住所:東京都杉並区上荻1-6-1
  • 最寄り駅:JR中央線・総武線「荻窪駅」北口より徒歩約1分
  • 営業時間:水~日 11:00~15:00
  • 定休日:月曜・火曜
  • 電話番号:03-3391-6003
  • 席数:カウンター10席
  • 禁煙情報:全席禁煙
  • 周辺環境:荻窪駅北口商店街内。昭和レトロな雰囲気が残るエリアで、散策スポット多数。


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