新宿駅東南口徒歩1分、立ち食いそばの名店「かのや」。今回は限られた時間で味わった「天玉そば」を徹底レポート。店内の雰囲気、注文の流れ、実食レビュー、そして“急ぎの食事が江戸っ子流になる瞬間”まで。アクセス情報も網羅。新宿で「早い・安い・美味い」を求める方必見!
時間との戦いで選んだ一杯
朝はゆったり過ごしていたのに、昼から予定を詰め込みすぎて、気づけば16時まで何も食べられないスケジュール。そんな中、前の予定が思いがけず早く終わり、次の予定まで20分の空白ができた。「20分あれば昼ごはん、いけるか?」と頭の中で計算する。ラーメン?いや、昼時は混雑必至。牛丼?それも席待ちで危うい。そんな時、ふと浮かんだのが「立ち食いそば」だった。
新宿駅東南口を抜けると、視界に飛び込んでくるのはドンキホーテの派手な看板。その隣に、控えめながらも確かな存在感を放つ「かのや」の暖簾。漂うだしの香りに、空腹が一気に加速する。券売機の前で並ぶ人々の姿に「ここなら間違いない」と確信。立ち食いそばなら、注文から食事まで10分以内で完結できる。都会の喧騒の中で、時間を味方につける選択肢。それが「かのや」だった。

立ち食いと思いきや、座れる安心感
暖簾をくぐった瞬間、予想を裏切る光景が広がった。立ち食いそばのイメージを抱いていたが、そこにあったのはカウンターのみの座席。細長い店内に沿って並ぶ椅子は20席ほど、都会の効率美を感じさせるレイアウトだ。座れるというだけで、急ぎの食事にも少し余裕が生まれる。
視線を巡らせると、スーツ姿のビジネスパーソンに混じって、観光客らしき人々の姿も。新宿という街の多様性を映し出す光景だ。「もっと高級な店もあるのに、なぜここを選んだのだろう?」と一瞬思う。

かのやのルーツ
かのやは、東京を中心に展開するセルフ式そば・うどん店で、創業は昭和後期とされる。そばは五割そば、うどんは讃岐仕込みの多加水麺を採用し、だしは本鰹節・宗田鰹節・サバ節で取る関東風、うどんは瀬戸内産煮干しや利尻昆布を使った関西風というこだわりがある。駅近という立地でサラリーマンの胃袋を支えてきた歴史がある。
15分勝負の選択とスピード
次の案件までの移動時間を考えると、滞在できるのは15分を切らなければならない。親子丼やカツ丼セットの魅力に心が揺れるが、調理時間を考えればリスクが高い。ここは安全策で「天玉そば」を選択。食券を渡した後、本当は座れるのに、あえて座らない。急ぎの意思表示だ。結果、わずか2分で丼が目の前に置かれた。ラップタイムとしては上出来。
濃いめのつゆと柔らかめのそば

だしは関東風の濃口仕立てで、醤油の深みと鰹節の香りがしっかりと舌に残る。やや濃いめの味付けで、正直少し血圧が気になるほどのパンチ力。そばは食べ始めが遅れたこともあり、やや柔らかめ。つゆをしっかり吸った麺は濃い味が前面に出る。ただ、価格と味のバランスを考えれば「普通に美味しい」という評価に落ち着く。
急ぎの食事が、江戸っ子流になった瞬間
味わう余裕もなく、そばをかきこんだ。噛むこともなく、まるで蛇のように丸飲み。だが、この「音を立てる」行為こそ、そばの世界では“粋”とされてきた。江戸時代から続くそば文化には「喉で食べる」という言葉がある。空気と一緒に吸い込むことで、そばの香りが鼻に抜け、風味を最大限に感じられる。今回は時間に追われ、意図せずそのスタイルになったが、結果的には江戸っ子流を体現していたのかもしれない。
訪問後記
約束の場所には少し早く到着。間に合ったという充実感を胸に商談に臨む。ところが、打ち合わせが始まってすぐに相手から一言。
「シャツ凄い汚れてますよ」。
そこには天玉そばのつゆの痕跡。
しまった。その視点が欠けていた。時間ばかり気をとられ、身だしなみへの危機管理を完全に怠っていた。恐る恐るシャツを見ると笑っちゃうくらいの星屑のステージだった。cry.cry.cr-y.着替えない。
アクセスと店舗情報
- 店名:かのや 新宿東南口店
- 住所:東京都新宿区新宿3-36-2 新宿キリンビル1F
- 最寄り駅:JR新宿駅東南口 徒歩1分
- 営業時間:07:30~23:00
- 定休日:なし
- 電話番号:03-3226-8633
- 席数:カウンター20席
- 周辺環境:ドンキホーテ隣、ウインズ新宿近く
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