PR

品川駅 立ち食いそば|常盤軒 コロッケそばの魅力

「よりよく思想を打ち込むために、同じ語を繰り返すことが有効ならば、繰り返し、打ち込み、他の語を捜すな」

『ジャン・クリストフ』ロマンロラン作  岩波文庫版(豊島与志雄 訳)

品川駅ホームで100年続く老舗「常盤軒」。

今回は、駅そば文化を象徴する人気メニュー「コロッケそば」を実食し、その魅力を深掘りします。創業背景、店内の雰囲気、注文の流れ、そして実食レビューまで、駅そば初心者にもわかりやすくまとめました。

さらに、謎の「品川丼」にも迫ります。アクセス情報も掲載しているので、次の品川駅立ち寄りにぜひ参考にしてください。


なぜ常盤軒?品川駅ホームで立ち食いそばを選んだ理由

品川駅 常盤軒
常盤軒 外観 (山手線内回りホーム)

今回の目的地は、品川駅ホームにある立ち食いそばの名店「常盤軒」

きっかけは、仕事の移動中に先輩の畠中さんと同僚の常岡さんと交わした“立ち食いそば論議”だった。

思っていた以上にお二人が詳しくて驚いたが、その中で絶賛されていたのが常盤軒。

品川駅には何度も足を運んでいるのに、これまで気に留めたことがなかった。

しかも、お二人が「駅そば」ではなく、店名で語っていたことが印象的だった。

そんな話を聞いたら、通過する予定を変更してでも立ち寄りたくなる。

こうして、品川駅ホームでそばを味わうことに。


常盤軒の人気メニュー|券売機で選んだコロッケそば

常盤軒を見つけた瞬間、まず目に飛び込んできたのは券売機。

その上には「当店一押し コロッケそば 550円」と大きく掲げられた販促ポップがある。

畠中さんも「常盤軒ならコロッケそば」と推していたし、ここまで強調されているなら頼まない理由はない。

これまで駅そばでは天ぷらやかき揚げを選んでいたが、今回は人気の理由を確かめたい。

券売機のボタンを押すと、食券が軽快な音とともに出てくる。

この瞬間、駅そばならではのスピード感とワクワク感が同居する。

食券を手に、立ち食いそばの世界へ一歩踏み出す準備が整った。

常盤軒 券売機
券売機(メニュー)

常盤軒の店内は?立ち食いそばならではの臨場感

店内は立ち食い専用のカウンターのみで、12名ほどが肩を並べられるスペース。

土曜日の昼過ぎ、サラリーマンはいないだろうと予想していたが、入店時は満席。

駅そばの人気を改めて実感する。

奥には厨房があり、食券を渡すと店員が勢いよく注文を読み上げ、それぞれの持ち場で動き始める。

4名のスタッフは無駄のない動きで、決して慌ただしくはないが、流れるような連携が心地よい。

そばをゆでる湯気が店内に立ち込め、出汁の香りが鼻をくすぐる。

電車の発車ベルと湯気の中で食事を待つこの時間こそ、駅そばの醍醐味だと感じた。


常盤軒の歴史|品川駅ホームで100年続く老舗そば店

常盤軒の始まりは1922年(大正11年)に品川駅構内で駅弁販売を許可されたことがきっかけだという。

鉄道建設に功績のあった小松帯刀氏の縁から、孫の小松重春氏が営業権を得たらしい。

当初は駅弁を中心に販売していたが、1964年頃から立ち食いそば店を開業したとされる。

昭和の高度成長期に、駅利用者の増加とともに「早い・安い・温かい」を提供する駅そば文化が広がり、常盤軒もその流れに乗ったという事。

現在も品川駅ホームに複数店舗を構え、約100年の歴史を持つ老舗として知られている。

駅そばの聖地と呼ばれる背景には、こうした鉄道と共に歩んだ歴史があるらしい。


常盤軒の名物コロッケそば|実食レビューと魅力

常盤軒 コロッケそば
コロッケそば

初めて挑戦するコロッケそば

見た目はシンプルだが、そばの上に鎮座するコロッケの存在感は抜群だ。

まず驚いたのは、コロッケ自体は熱々ではないこと。

そばの温かさがじんわりと衣に伝わり、つゆを吸い込むことで食感が変化していく。

衣はしっとり、じゃがいもの甘みとコショウの効いた風味がアクセントになり、つゆとの相性が絶妙だ。

そばはやや黒めで歯応えがあり、東京スタイルの濃いめのつゆが全体をまとめる。

コロッケは想像以上に大きく、ひと口ごとにしっかりとした満足感がある。食べてみて気づいたのは、つゆをじっくり吸わせてから味わうのが、この一杯の正解だということ。コロッケそばの醍醐味は、あのふやけた柔らかさにこそある。

「崩れちゃうじゃん」と敬遠する人は、まだこのB級グルメの本質にたどり着いていないのかもしれない。

立ち食いそばならではのスピード感と、庶民の知恵が詰まった満足感。

そんな魅力がぎゅっと詰まった一杯だった。


常盤軒で耳にした謎の品川丼|立ち食いそば店での発見

コロッケそばを頬張りながら、耳に飛び込んでくるのは店員さんの元気な食券読み上げ。

立ち食いそばならではの臨場感だが、その中でやたらと聞こえるのが「品川丼」という言葉。

駅名を冠したメニューだけに気になるが、実態は見えない。丼ものだろうと推測しつつ、背後でどんぶりが出るたびに振り返る。

ちらりと見えたのは、ご飯の上に揚げ物らしきもの。

ただ、コロッケではなく、どうもかき揚げらしい。

天ぷらそばのかき揚げをそばではなく、ご飯の上に乗っける。

それにお吸い物と漬物が添えられ、シンプルな構成だ。

滞在15分ほどで、コロッケそばと品川丼の注文数はほぼ互角。

普通に考えて常盤軒を知らない人がふらっときてこの品川丼を注文するとは考えにくい。

なぜなら、立ち食いそばの店として来るだろうから、ご飯ものであれば、カレーライスくらいは予想して来るが、このかき揚げ天丼なる品川丼を狙って来るとは考えにくい。

となると、品川丼を注文した方は常盤軒のヘビーユーザーであり、常盤軒を知り尽くした猛者達なのだろう。

猛者達と肩を並べてそばを食べているが、実際には肩を並べるには私なんぞはまだまだ早く、その領域に行くには、常盤軒の真髄を知らないといけない。

その為にも、次回は品川丼を試すしかないと心に決めた。


訪問後記

「よりよく思想を打ち込むために、同じ語を繰り返すことが有効ならば、繰り返し、打ち込み、他の語を捜すな」

『ジャン・クリストフ』ロマンロラン作  岩波文庫版(豊島与志雄 訳)

──ロマン・ロランの言葉だ。

彼は、理念を曖昧にせず、繰り返し語ることで読者の心に届くと信じていた。

技巧よりも精神の力を重視する姿勢は、第一次世界大戦期に「精神の独立」を訴え続けた彼の生き方にも通じる。


品川丼は、かき揚げをご飯に載せただけの飾り気のない丼だ。

しかし、そのシンプルさを繰り返し守り続けたからこそ、常盤軒は創業から100年を超えて今も輝いている。

ロランの言葉は、常盤軒の歴史にも重なる。

「思想を曖昧にするな。伝えるべき核心があるなら、同じ語を恐れず繰り返せ」。

駅そば文化を貫くその姿勢に、老舗の強さを感じた。


アクセスと店舗情報

  • 店名:そば処 常盤軒
  • 住所:東京都港区高輪3-26-26 JR品川駅構内 山手線内回りホーム 大崎寄り
  • 最寄り駅:JR品川駅(山手線内回りホーム)
  • 徒歩時間:改札から約2分
  • 営業時間:月〜金 06:00〜23:00 / 土日祝 06:30〜22:30
  • 定休日:なし
  • 支払い方法:交通系電子マネー対応
  • 席数:立ち食いカウンターのみ(約12名)
  • 周辺スポット:ecute品川、高輪ゲートウェイ方面散策


コメント