新宿で家系ラーメンを探している方へ。この記事では、ラーメン激戦区・新宿西口にある「横浜らーめん 山本家」の味や店主のこだわり、アクセス情報までを詳しく紹介します。街歩きの途中で偶然出会った一杯が、思いがけず心に残る体験となりました。ラーメン好きはもちろん、街の空気を味わいたい方にもおすすめの記録です。
街歩きの途中でふと出会った「山本家」
新宿西口での待ち合わせ。少し時間がずれるとの連絡を受け、ふと目に入ったのは、いつも行列ができている家系ラーメン「山本家」。
気になりつつも、これまで入ったことはなかった。ところがこの日に限って、なぜか空いていて、すっと店内へ。こういう偶然こそ、街歩きの妙。

店内の様子と第一印象
店内はカウンター席のみ。赤いカウンターが目に飛び込む。家系ラーメンの店って、赤が多い気がするのは気のせいだろうか。水はセルフサービスで、紙エプロンも用意されているのがありがたい。厨房の奥には「酒井製麺」と書かれた木箱が積まれていて、麺へのこだわりが垣間見える。
初めての山本家、期待が高まる。
この店の物語:創業背景と店主の想い
山本家は2021年8月10日、新宿西口にオープンした家系ラーメン店らしい。場所はヨドバシカメラのすぐそばで、ラーメン激戦区の中でも家系は意外と少ないという事で、開店当初から注目されていたようだ。
店主・山本氏は、三軒茶屋の「大塚家」で修行を積んだ人物だという。大塚家は“武蔵家”系の流れを汲む店で、家系ラーメンの源流「吉村家」から続く系譜の一つ。その味と技術を受け継ぎながら、山本氏は「新宿で本物の家系を出したい」という想いを持っていたらしい。
厨房には「酒井製麺」の木箱が積まれており、麺へのこだわりが見て取れる。酒井製麺は家系ラーメンの定番とも言える製麺所で、スープとの相性を重視する店が選ぶことが多いという。
また、山本氏はフレンチの経験もあるらしく、味の構成や提供スタイルに繊細さが感じられるという声もある。紙エプロンの用意や、時間帯によってライス無料・おかわり自由といったサービスも、食べ手への配慮の一環だという事だ。
新宿という土地に根ざしながら、王道の家系ラーメンを守りつつ、店主の想いが込められた一杯を提供している——そんな店らしい。
注文
注文は食券制。券売機のメニューは家系らしくシンプルで、迷うことなく「ラーメン 並」を選ぶ。今回は初めて訪れた時の店ルールに従って、麺のかたさ・味の濃さ・油の量はすべて「普通」でお願いすることにした。家系ならではのカスタマイズがあるとはいえ、初回はその店の“素”を味わいたいという気持ちがある。

待ち時間は短く、厨房の動きも無駄がない。酒井製麺の木箱が積まれた厨房を眺めながら、ラーメンとの対面を静かに待つ時間もまた、味の一部のように感じられる。
実食:チャーシューが主役級の存在感
丼が目の前に置かれた瞬間、鶏油の香りがふわっと立ちのぼる。スープは豚骨醤油の王道、濃厚ながらも重すぎず、口当たりが滑らか。中太麺は酒井製麺らしいしっかりとした歯ごたえで、スープとの絡みも良く、するすると食べ進められる。すごく食べやすい。
そして何より印象に残ったのがチャーシュー。柔らかくて、脂の甘みと肉の旨みがじんわり広がる。13時前にはチャーシュー追加や関連メニューが品切れになるという話もあるらしく、それも納得の味。ラーメンの主役はスープと麺だと思っていたが、この店ではチャーシューがしっかり存在感を放っていた。
ライスが欲しくなる味だが、今回はラーメン「並」に集中。初訪問の一杯として、十分に満足できる内容だった。

店員のスタイルに宿る家系の精神
山本家の店員は、白のねじり鉢巻・白Tシャツ・白ズボンという統一されたスタイル。家系ラーメン店ではよく見かける服装だが、インスタなどで「家系スタイル」と調べても、そんな情報は出てこない。ではなぜこのスタイルが多いのか——それは、総本山・吉村家の影響だ。
吉村家では、厨房の清潔感と職人らしさを重視し、白一色の服装を採用していた。このスタイルは直系店に受け継がれ、家系ラーメンの“伝統”として広まっていったという。つまり、山本家の厨房に立つ姿は、味へのリスペクトだけでなく、スタイルにもその精神が表れているということだ。
ラーメンとメンタルの均等
食事中、隣に座った男性二人の会話が耳に入ってきた。職場で誰々に怒鳴られたという話から始まり、同僚の近況、異動した人、退職した人まで、次々と名前が飛び交う。ざっと数えても30人近くの人物が登場していた気がする。
「林さんに怒鳴られてないってすごいな」「あの人は病んでしまった」「新人の大久保は4日持ってるぞ」「藤井さんは意外と凄い奴で、野球が上手かった」——そんな言葉が次々と漏れ出る。過酷な職場なのだろう。人の話をあれこれと吐き出すことで、自分のメンタルの均等を保っているのかもしれない。
そんな会話を聞きながら、私は山本家のラーメンをすすっていた。中太麺の食べやすさ、柔らかいチャーシューの旨み、濃厚なスープの余韻。その一杯が、私にとってのメンタルの均等を保つ手段になっている気がした。
アクセスと店舗情報
周辺環境:ヨドバシカメラ裏手/京王モール近く/新宿中央公園も徒歩圏内
店名:横浜らーめん 山本家
住所:東京都新宿区西新宿1-15-13
最寄り駅:JR新宿駅 西口より徒歩約2〜3分
営業時間:11:00〜24:00(通し営業)
定休日:なし(不定休の可能性あり)
電話番号:非公開(公式SNSで発信あり)
公式SNS:


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