時間は限られている。他人の人生を生きるな
Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life
スティーブ・ジョブズ— スティーブ・ジョブズ(2005年 スタンフォード大学卒業式スピーチより)
出典:スタンフォード大学公式サイト(英語)
新大久保にある韓国焼肉店「マジャンドン」
新大久保にある韓国焼肉店「マジャンドン」で、進化系サムギョプサルとテッチャンを味わいました。落ち着いた空間で丁寧に焼き上げられる韓国式焼肉は、初心者でも入りやすく、店の変化の物語も感じられる一軒です。

入店きっかけ
新大久保「マジャンドン」でランチすることに
取引先周りをしていた間宮さんと新宿でランチする事に。「肉が食べたい」という話になったが、新宿で肉といっても意外と思いつかない。無駄に時間が過ぎそうな中、間宮さんがSNSを見せてきた。「この店行ってみたかったんです」。 そこに出ていたのが「マジャンドン」。土曜日の昼時。果たして空いているのだろうか。一先ず、店に行ってみる事に。
店内の雰囲気
落ち着いた空間でゆっくりできる
店内に入り靴を脱いで席へ向かう。掘りごたつ式のテーブル席が全部で9卓。奥のテーブルはロールカーテンで仕切れるようになっていて、隣を気にせず落ち着いて食事ができる。韓国焼肉屋にしては静かで、清掃も行き届いていて安心感がある。
注文の場面
セットメニューで肉とスープを選ぶ
メニューはセット形式で、メインの肉を選び、10種類のパンチャンとご飯、チゲ系のスープが付く。この手のセットは新大久保の定番。メニューには小さく「2人前から」と書いてあるが、肉は1人前ずつで合計2人前になればOK。
間宮さんがSNSで見せてくれたのは韓国でテッチャンと呼ばれるホルモン。サイズ感が大きく、鮮度が悪いとすぐに臭みが出るため扱いが難しい。良い問屋と物流がなければ提供できない。うんちくはともかく、ホルモン1人前+サムギョプサル1人前を選んだ。

📝マジャンドン セットメニュー(税抜表示) ※2026年3月時点
| セット名 | 価格(税抜) |
|---|---|
| 特上ホルモンセット | ¥1,980 |
| 特上ミノセット | ¥1,980 |
| 釜山トゥルチギセット | ¥1,500 |
| ソウルブルゴギセット | ¥2,850 |
| 鉄板 LA カルビセット | ¥1,750 |
| 味付け豚肩ロースセット | ¥1,480 |
| プレミアム和牛バラセット | ¥2,450 |
| サムギョプサル盛合せセット | ¥1,800 |
| 王カルビセット(2人前〜) | ¥2,978 |
| おまかせ和牛盛合せセット | ¥4,900 |
| 山形和牛盛合せセット | ¥4,900 |
創業背景とルーツ
韓国・馬場洞の文化を受け継ぐ店
マジャンドンは2022年9月にオープンした店舗で、韓国・ソウルの馬場洞(マジャンドン)精肉市場の名前を冠している。この市場は韓国国内でも歴史が長く、卸売肉文化の中心地として知られており、精肉処理や食肉文化の象徴的な場所だという。店名をそのまま掲げるのは、韓国本場の肉の扱い方や食事スタイルに価値観を置いているためとも考えられる。
公式インスタグラムによれば、店舗は2024年にリニューアルを行っており、さらに2025年にはメニューを刷新している。短期間で複数回のアップデートを行っている点から、味付けや提供スタイル、設備面の改善を続ける姿勢がうかがえる。新大久保というエリアは韓国料理店の多い地域だが、その中で「焼肉と家庭料理の中間」に近い形でセット文化を取り入れていることも、この店の特徴のひとつらしい。
また、店のSNSでは、韓国の家庭料理文化を意識したパンチャンの種類や構成が紹介されることもあり、単なる焼肉店ではなく「韓国の食卓の空気」を再現しようとする意図が読み取れる。新大久保の韓国料理シーンの中でも、家庭的な温度感と焼肉スタイルを両立させようとする店舗として位置づけられているようだ。
公式インスタ
マジャンドンを監修した職人が新大久保に新しい店を出すという
新大久保の人気韓国焼肉『マジャンドン』を
@majangdong_sinokubo
全てを手掛けた肉の職人が仕入れから
料理1品1品まで全てを完全監修する
2/28(土)・3/1(日)プレオープン
3/2(月)グランドオープン!
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〒169-0073
東京都新宿区百人町2-2-2 福笑1F
(新大久保駅徒歩1分)
情報は公式インスタからどうぞ↓
実食レポート
焼き上がる肉とパンチャンで進む箸

注文後、速やかにテーブルにはパンチャンと呼ばれるおかずが運ばれてきて肉の到着を待つ。定番のキムチ、ナムル、韓国漬物、おでん等々が並ぶ。続いてメインの肉、焼くのは韓国流で店員さん。厚めの肉は焼くのが難しいが、ここは訓練を受けた店員だけあり、入れ替わり立ち替わりで食べ頃までうまく焼き上げる。
豚肉という特質上、生はダメだが焼きすぎると味が落ちる。いくら素材が良くても焼き方を失敗してはいい肉も台無し。結果的に、この店は美味しくなかったとなる。その為、店員さんが丁寧に焼いてくれる。これが韓国焼肉屋のグッドポイント。店員が肉をひっくり返すたびに肉を凝視してしまう。
さらに、肉が焼き上がる間にキムチチゲも登場。ご飯もあり、肉を待たずに食が進んでしまう。

メインの登場で潮の目、変わる
肉を焼き始めて10分ほどでサムギョプサルが完成。サンチュと合わせて食べる。が、サンチュに隠れてみえなかったがエゴマもある。肉と少し苦味があるエゴマが好きで、ここで焼いたニンニク、キムチを一緒に包む事で味わいがます。
サムギョプサルは焼き上がった瞬間に脂がじゅわっと落ち着き、表面がカリッと仕上がっている。厚みがしっかりあるが、重たさよりも食べ応えの安心感が勝つタイプで、味付けがシンプルな分だけ肉の下処理の良さが際立つ。
テッチャンこと特上ホルモンは見た目のボリュームに反して噛み切れない感じはなく、ぷりっとした食感がしっかり残っている。脂の甘さが強く、噛むほどに旨味が出てくるタイプで、重たい脂っこさではなく後味が思いのほか軽い。表面が香ばしく焼かれているので、ホルモン特有のクセも弱くて食べやすい。タレや薬味を足すと味のキレが出て、サンチュで巻くと全体がまとまる。久しぶりに飲んだお酒が進む。



変化の歴史が重なる店に入る瞬間
■ 馬から牛へ──韓国・馬場洞の“変化の歴史”
店名となっているマジャンドン。韓国の地名である事は前述したが、この街は名前だけ見ると馬の街のようであるが、実際には時代の流れとともに大きな変化を経験した街でもある。
朝鮮王朝の時代には馬を育てる放牧地だった場所が、都市化と戦後の食文化の拡大に合わせて徐々に姿を変え、1950年代以降は牛の取引が中心となる精肉市場へと役割を移していった。
馬から牛へという大胆な転換を受け入れながら生き残ってきた街で、韓国国内でも“変化を象徴する場所”として知られている。
■ 新大久保のマジャンドンも変化を重ねてきた
そんな背景を知ると、新大久保にあるマジャンドンもまた同じように、たくさんの変化をして来てまだ変化し続けている店だと感じる。
2022年オープン以降、店の苦労が伺える。
新大久保の中でもメインから少し外れ、店の前の通りは明らかに人通りが少ない。
しかも建物の3階にあり、通りを歩く人が自然に足を運ぶ場所ではない。
だからこそ、内装改装やメニューリニューアルという大胆な変化を早い段階で何度も行なっているのがわかる。
訪問後記
時間は限られている。他人の人生を生きるな
Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life
スティーブ・ジョブズ— スティーブ・ジョブズ(2005年 スタンフォード大学卒業式スピーチより)
出典:スタンフォード大学公式サイト(英語)
「時間は限られている。他人の人生を生きるな。」が持つ本当の意味
スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式スピーチで語った「時間は限られている。他人の人生を生きるな。」という言葉。
これは表面的には「好きなことをしろ」と聞こえるけれど、実際にはもっと重い意味を含んでいる。ジョブズが指している“他人の人生”とは、親の期待や社会の常識、成功パターン、世の中の正解とされるもの──そうした“周囲が作った価値観”のことだという。
誰かが敷いたレールの上を歩くと、失敗はしにくいが、自分の時間は確実に失われていく。
しかも人生は思ったより短く、自分らしさを後回しにする余裕はない。
ジョブズが言いたかったのは「リスクを取れ」ではなく、「他人に決めさせるな」という姿勢に近い。
自分の感覚で選び、自分の判断で動き、自分の責任で結果を受け止める。その積み重ねだけが、限られた時間の中で“自分の人生”をつくるのだという。
この言葉は派手な成功論ではなく、むしろ日々の小さな選択にこそ響いてくるメッセージだと感じている。
マジャンドンの進化とジョブズの言葉の共鳴
今回訪れた「マジャンドン」も、このジョブズの言葉と重なる部分がある。
新大久保という競争が激しいエリアで、しかも人通りが少ない通りの3階という立地。
普通なら“他の成功パターンに寄せた方がいい”という判断になりがちだが、この店はそうしていない。韓国焼肉ならこういうメニュー、という既存の枠に合わせるのではなく、内装やラインナップを早い段階から何度もリニューアルして、自分たちが良いと思う方向に舵を切っている。
市場風の雰囲気から落ち着いた空間づくりに変えたことも、SNS映えを追いかけるより品質を磨く方向に振ったことも、他の店の“正解”に合わせなかったという点でジョブズの言葉と近い。
迷った時に常識や周囲の店の流れではなく、自分たちの判断で選んできた店。
その結果として、ホルモンを軸にした独自のスタイルが今の店の強みになっている。
変化の多い街の中で、この店が生き残るために選んできた決断の積み重ねが、どこか「他人の人生ではなく、自分の人生を生きる」という姿勢と通じるものがある。
自分自身の変化と“自分の人生を生きる”という学び
自分もマジャンドンのような生き方ができているのか考えた。
今回、ジョブズの「時間は限られている。他人の人生を生きるな。」という言葉に触れ、思った以上に自分に刺さるものがあった。どこかで変化を嫌い、嫌われないように人の顔色ばかり窺っていて、自分の時間をちゃんと使えていない事に気づく。
誰かの基準に合わせれば波風は立たないけれど、そのぶん選択の主導権を失っていたのかもしれない。
そんな中で、徐々に1人でいる事が多くなり、食べ歩きが始まった。
そして、色々な店の理念や思想を知る事で、食べる行為にも深みが出てきた。
また、それを間宮さんや吉岡さんに話すと共感してもらえる事が増え、今度はあそこに行きたいと誘われる機会も増えた。
そうした繋がりも生まれたのかもしれない。
ただし、お金を私が出す事が多いのは気に食わない。
アクセス・店舗情報
- 店名:マジャンドン 新大久保
- 住所:東京都新宿区大久保2-26-1 3F
- 最寄り駅:新大久保駅 徒歩4分
- 営業時間:11:00〜23:30
- 定休日:なし

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