恵比寿で味わう九州発の本格豚骨ラーメン「暖暮」。深夜まで営業、駅近でアクセス抜群。濃厚な白濁スープと極細麺、辛味ダレの絶妙なバランスが魅力。創業は福岡、九州ラーメン総選挙1位の実績を誇る人気店。この記事では、入店のきっかけから実食レポート、歴史、アクセス情報まで詳しく紹介します。
駅近で“締めラーメン”の誘惑に負ける
仕事帰り、川野さんと軽く一杯という話で居酒屋へ向かう途中、「豚骨ラーメン」の赤い看板が視界に入った。恵比寿の街灯に照らされたその看板は、どこか九州を思わせる雰囲気。しかしその時は居酒屋が目的地だったため、深く気にせず通り過ぎた。
ところが、川野さんが「家で食事がある」と言ってツマミを控えめにし、私もそれに合わせた結果、腹はまだ満たされていない。
恵比寿駅で別れた後、ふと頭をよぎったのは“締めラーメン”という禁断の誘惑。先ほど見かけた豚骨ラーメン店は駅からも近く、引き返すのに苦労しない距離感。
こうして、駅近で気軽に立ち寄れるラーメン店「暖暮」に足を向けることになった。

赤と木目が織りなす活気ある空間
店内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは赤と木目で統一されたデザイン。
赤の存在感が強く、落ち着いた和風というより、どこか町中華のような活気を感じさせる空間だ。壁にはメニューだけでなく「暖暮のこだわり」と店舗図が掲示され、店の理念をさりげなく伝えている。

座席は横長に並ぶカウンターが約15席。入店時、2席間隔でお客が座っており、どこに座るか迷う瞬間が訪れる。隣が女性なら妙に意識してしまうし、男性なら窮屈さを感じる。結局、食べ終わりそうな人の隣を選び着席した。
さらに、券売機がないため、壁や手元のメニューを見ながらじっくり選べる安心感がある。
最近は入店直後に券売機で即決を迫られることが多かったので、レストランに来たように吟味できる時間が新鮮だった。
初訪問は王道ラーメンで
今回は初訪問ということもあり、メニューに「初めての方はまずこれ」と記載された定番ラーメンを注文。
すると、注文と同時に町医者の問診のような細かい質問が始まる。麺の硬さ、スープの濃さ、辛味ダレの量などを答える形式だ。あれ、一蘭式だなと一瞬思ったが、その時は深く考えず、素直に答えてオーダーを完了した。

このカスタマイズ性は、豚骨ラーメン文化の醍醐味ともいえる。自分好みに仕上げられる安心感があり、常連になればさらに楽しめそうだ。
待っている間、厨房から漂う豚骨スープの香りが食欲を刺激し、期待感が高まっていく。
暖暮の歩みと理念
暖暮は2000年、福岡県筑紫野市で誕生した純豚骨ラーメン専門店だという。創業当初から「皆さまの日常にホッと一息つける温かな一杯を」というコンセプトを掲げ、強火で炊き上げた純豚骨スープと自社仕込みの細麺を軸にブランドを築いてきたらしい。
九州ラーメン総選挙で1位を獲得した実績もあり、その人気は九州から関東へ、さらに海外へと広がったという事実がある。
現在では国内外に多数の店舗を展開し、カナダやアメリカ、オーストラリアなどにも進出している。
(出典:公式サイト)
一口目で広がる豚骨の旨み
ラーメンが運ばれてきた瞬間、白濁したスープに赤い辛味ダレが映えるビジュアルが食欲をそそる。

レンゲでひと口すすると、豚骨の濃厚な旨みが舌に広がり、その後を追うように辛味ダレの刺激がじわりと効いてくる。見た目だけでなく、味の奥行きも期待を裏切らない。
細ストレート麺はコシがしっかりあり、スープとの絡みが抜群。この極細麺は本当にスルスルと入っていく。
辛味ダレを少しずつ溶かすことで、味の変化を楽しめるのも魅力だ。チャーシューは一蘭より柔らかく、脂身の甘みが心地よい。
さらに、ネギのシャキシャキ感が全体を引き締め、最後まで飽きずに食べ進められる一杯だった。
一蘭との既視感、そして意外な事実
最初の問診で麺の硬さやスープの濃さを聞かれた瞬間、「一蘭ぽいな」と感じた。
さらに、運ばれてきたラーメンの中央に赤い辛味ダレが鎮座しているのを見て、心の中で「一蘭やん」と呟く。
スープを啜ると、その印象は確信に変わった。「やっぱり一蘭やん」。
一蘭は大好きなラーメンだが、最近は価格の高騰やインバウンド客で混雑していて足が遠のいていた。
そんな中、この味で860円、しかも店内はゆったりとした空間。また、味も後半に近づくに連れて麺とスープの絡みと赤い辛味の広がり方で一蘭との違いがわかり「こっちやん」となる。
そもそも、ここは一蘭の系譜なのかと気になり調べてみると、暖暮は2000年に福岡で創業した独立系の豚骨ラーメン店で、一蘭とは直接の資本関係はない。
ただし、辛味ダレを乗せるスタイルやカスタマイズ注文など、一蘭と似た仕組みを採用している背景には、九州ラーメン文化の影響があるらしい。
さらに、過去には「辛味ダレの元祖」を巡って一蘭と訴訟を起こしたこともあり、両者は仲が悪いことで知られているという。
つまり、系譜というより“ライバル関係”なのだ。
訪問後記
「良い芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む」――パブロ・ピカソ。
この言葉は芸術だけでなく、文化やビジネスにも深く通じる。歴史を振り返れば、模倣は革新の源泉だった。ルネサンス期の画家たちは古典を模写し、そこから独自のスタイルを築いた。日本の浮世絵も西洋画の技法を取り入れ、世界に影響を与えた。
技術の世界でも同じだ。
スティーブ・ジョブズは「盗むことを恐れるな」と語り、既存のアイデアを再構築してAppleの革新を生み出した。
模倣は単なるコピーではなく、学びの第一歩であり、そこから独自性が芽生える。
暖暮の一杯を食べ終えた頃、問診スタイルや辛味ダレの演出に一蘭を連想したが、食べ進めるうちに「これは暖暮の味だ」と思った。
模倣は文化を受け継ぎ、自分の色を加えることで新しい価値を生む。
暖暮はその好例だ。
伝統を尊重しながら革新を重ねる――それは、ラーメンという一杯に込められた哲学だ。ただし、完全なパクリはダメ。
アクセスと店舗情報
- 店名:ラーメン暖暮 恵比寿南店
- 住所:東京都渋谷区恵比寿南1-2-3 恵比寿TSビル1F
- 最寄り駅:JR恵比寿駅西口 徒歩約2分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅5番出口 徒歩約1分
- 営業時間:
・月・日 11:00~22:00
・火・水・木 11:00~翌03:30
・金・土 11:00~翌05:00 - 定休日:年中無休
- 座席数:カウンター10席
- 公式サイト:http://danbo.jp


コメント