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【しゃぶ葉ランチ完全レポ】無制限一本勝負と“ソロ戦士”たちの美学

本記事では、しゃぶしゃぶ食べ放題チェーン「しゃぶ葉」のランチ体験を、実際の訪問記録をもとに詳細にレポートします。無人受付から始まるスマートな入店、タブレット注文と配膳ロボットによる省人化、そして1500円で満腹必至のコスパ最強ランチ。さらに、クセ強めな“ソロ戦士”たちの食事スタイルや、すかいらーくグループの創業背景にも触れ、単なるグルメレポートを超えた「観察と物語」の視点で綴ります。しゃぶ葉の魅力を深掘りしたい方、街歩きと食文化を交差させたい方におすすめの一篇です。


SNSが導いたしゃぶしゃぶ日和

「しゃぶ葉行きませんか?」というメッセージが届いたのは、3日前のこと。

LINEの通知がふと画面に浮かび、何気なく開いたその一文に、思わず笑みがこぼれた。特に予定もなかったので、すぐに「いいね」と返事をした。

しゃぶしゃぶの食べ放題チェーンは数あれど、近所にあるしゃぶ葉は、気取らず馴染み深い存在。ふらりと立ち寄るにはちょうどよく、誰かと行くとまた違った表情を見せてくれる。

おそらく、最近の私のSNS投稿を見て、食べそうな雰囲気を感じ取ってくれたのだろう。

湯気の立つ料理や食べ歩きの記録が、巧妙に食欲のサインになっていたのかもしれない。

そんな偶然のような必然に導かれて、約束の日、しゃぶ葉の暖簾をくぐった。


無人受付が導く、静かな入店

店内に入ると、まず目に入るのは受付機。

人数を入力するとレシートが出てきて、そこに記された番号と店内地図を頼りに、自分で席へと向かう仕組みだ。人を介さず、スムーズにテーブルへたどり着けるのが心地よい。

聞けば、しゃぶ葉はスカイラークグループの一員で、今ではどの店舗もこのシステムに移行しているという。効率的で、どこか未来的な入店体験だった。


ことぶき食品から始まった物語

すかいらーくグループの原点は、1962年に東京都保谷町(現在の西東京市)で創業された「ことぶき食品」という食品スーパーだったらしい。創業者は横川家の四兄弟で、当時の団地住民向けに小分け販売などの工夫を凝らし、「食品の便利屋」として支持を集めていたという。

しかし、国分寺駅前に西友が進出したことで経営が厳しくなり、スーパー業態からの撤退を決断したそうだ。その後、兄弟は外食産業への転換を模索し、アメリカ視察でファミリーレストランの可能性に着目したという。

1970年、東京都府中市に「すかいらーく」1号店がオープン。郊外型の店舗で、マイカー利用のファミリー層をターゲットにした設計だったらしい。これが日本のファミリーレストラン文化の先駆けとなったという。

その後、「ジョナサン」「バーミヤン」「夢庵」など多彩なブランドを展開し、外食チェーンとしての地位を確立していったようだ。

しゃぶ葉は2007年に横浜で1号店が誕生したという。リーズナブルでセルフスタイルのしゃぶしゃぶ食べ放題という業態は、家族連れや若者層に受け入れられ、全国展開が進んだらしい。現在ではスカイラークグループの中でも安定した人気ブランドのひとつとなっているということだ。


鍋のゴングが鳴る、無制限一本勝負

席に着くと、テーブルに備え付けられたタブレットで人数とコースを入力。出汁は2種類選べるので、白だしと辛味噌だしをチョイス。食べ放題の中では最安値の豚バラコースを選んだ。牛やラムも選べるが、「豚バラ一択で全然いけるから」と言われ、迷わずそれに決定。リーズナブルで気軽に楽しめるのが、しゃぶ葉の魅力だ。注文後はすぐに鍋が運ばれ、待ち時間もほとんど感じなかった。


しゃぶ葉のランチタイムは、何時に来ても16時までの無制限一本勝負。鍋と出汁が運ばれてきた瞬間、静かにゴングが鳴る。

今日もここからたくさんのファイターが生まれていく

肉はタブレットで注文し、それ以外の野菜や薬味、麺類などは自分で取りに行くスタイル。この「それ以外」が驚くほど充実していて、1500円でこれだけ選べて、しかも肉もたっぷり食べられるとなると、かなりの満足度だ。

安さの秘密は、チェーン店ならではの仕入れと店舗スタイルに合わせた供給体制にあるのだろう。例えばネギ。青ネギ部分が多く、白い部分も青に近い部位が中心。おそらく、根元に近い白い部分はジョナサンやバーミヤンなど他ブランドで使われているのだろう。使いにくい部位をしゃぶ葉に回すことで、循環型の効率的な運用が成り立っているように思える。

さて、肝心の肉はというと、普通に美味しい。追加注文もタブレットで行い、配膳ロボットが静かに運んでくる。省人化だけでなく、何度も注文することへの心理的な遠慮もなく、気兼ねなく食べ続けられるのがありがたい。しゃぶ葉の合理性は、食べる人の気持ちにも寄り添っている。


“しゃぶ葉道”を極めるソロ戦士たち

ランチタイムは、予想以上におひとり様率が高い。しかも、どの方もなかなかのクセ強め。席に着くや否や、自分だけの食事体系を構築し始める。薬味、タレ、ご飯、麺類…その並びはまるでX JAPANのYOSHIKIのドラムセットのよう。最初にすべてを揃え、イスを立つ回数を最小限に抑えるという戦略らしい。

豊富な種類が真髄

たとえば、すでに茶碗2杯分のご飯をテーブルに並べ、黙々と頬張る人。しゃぶしゃぶを食べている最中にもかかわらず、生クリームを皿いっぱいに盛り、何かの出汁が入った器と一緒に食べている人。さらには、iPadを2台並べて動画とゲームを同時進行しながら、まるで自室のようにくつろいで食事を楽しむ人もいた。見える範囲だけでもこのバリエーション。見えない席にも、きっと独自の“しゃぶ葉流”を極めた戦士たちが潜んでいるのだろう

ここから創意工夫が生まれ、個性が生まれていく

この“しゃぶ葉道”を完成させるまでに、各人が何度も試行錯誤を重ねてきたことは想像に難くない。スタッフはそんな常連たちの動きを黙って見守り、必要以上に干渉しない。

訪問後記

夜になっても空腹を感じず、そのまま寝てしまった。昼の1500円で一日を乗り切ったことになる。ランチだけでも十分お得だと思っていたのに、夜も不要となればコスパはさらに跳ね上がる。極端な話、朝を抜けば一食1500円で三食分の満足感だ。

一緒に行った友人は夜も普通に食べたが、私が夜は何も食べなかったと言うと、「めっちゃ食ってましたよね」と笑われた。どうやら私の胃袋は“しゃぶ葉仕様”になっていたようだ。

しゃぶ葉はただの食べ放題ではない。人それぞれの食べ方や過ごし方、その裏にある生活のリズムや美学が湯気の向こうに静かに浮かび上がる。次に訪れるときは、また違う“戦士”たちの物語に出会えるかもしれない。

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